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2011年レポート ドライマウスの原因と治療法

2011年 田島レポート ドライマウス No.2

ドライマウスの原因と治療法・対処法の紹介をしています。

ドライマウスの原因

ドライマウスになる原因は、一つではありません、いくつかの要因が重なって起こる事が多いのですが、主に8つの原因が在るとされています。

  1. 糖尿病
  2. 放射線治療
  3. 脳血管障害の麻痺
  4. 老化
  5. 薬の副作用
  6. うつ病、自律神経失調症
  7. 咬む筋力の低下
  8. シェーグレン症候群
  1. 糖尿病
    日本人の糖尿病になる原因は、過食や運動不足による生活習慣の要因が多いと言われています。
    糖尿病になると口や喉が乾きやすくなります、その原因は、体内の浸透圧が関係していて、糖を含んだ尿が排出され、浸透圧の作用で尿が大量にでるため、身体の水分が減り脱水症状になるため口の中も乾くのです。
    他に腎不全で腎臓の機能が働かないため、尿が出ないため水分を、取る量が制限され口の中が乾く事もあります。

  2. 放射線治療
    口腔内や顔面のガンの治療で、放射線を受けた場合にドライマウスの症状がでます。
    放射線により唾液腺が破壊されたり、障害を受けたために起こる。

  3. 脳血管障害の麻痺
    脳血管障害は、脳卒中と同じ。
    脳卒中は、身体が麻痺状態になる事があり、口腔も麻痺するので噛めなくなり唾液の分泌量が減少するため。

  4. 老化
    高齢者の場合は、糖尿病や薬の副作用と老化だけでは、なく他の要因の影響でドライマウスになりやすいですが、年を取る事により体内の水分量が減るために、引き起こされる事がおおいです。
    高齢になるとシワが増えるのは水分量の低下が原因です。

  5. 薬の副作用」
    抗うつ薬、抗不安薬、向精神薬、抗パーキンソン薬、抗高血圧薬、抗ヒスタミン薬、利尿薬、抗コリン作用薬、抗けいれん剤、鎮痛剤、気管支拡張薬。
    この様に、ドライマウスを引き起こす薬剤は沢山あります。
    薬は、脳の神経やホルモン物質を鈍化・麻痺させたりするため、唾液の分泌が働きづらくなるため、ドライマウスを引き起こします。

  6. うつ病、自律神経失調症
    自律神経は、内臓の動きや体温・血圧・ホルモン・免疫など、身体に重要なものを調節している神経なのです。
    自律神経をコントロールしているのは、脳幹の視床下部です。
    大きさは親指の先端ぐらいで重さ10g、左右2個あります。
    身体の恒常性(ホメオスタシス)を維持するための司令塔で、脳下垂体からの分泌されるホルモンの調整もしています。
    自律神経を乱す原因は、ストレスとはすでにお伝えしていますがストレスを具体的にすると以下のものに分けられます。

    1. 構造的ストレス・・・骨盤や背骨の歪み、凝りや痛みなど。
    2. 化学的ストレス・・・煙草、車の排気ガス、偏った食事など。
    3. 温度・湿度のストレス・・・寒すぎる暑すぎる、湿気が強い、乾燥しているなど。
    4. 精神的ストレス・・・人間関係トラブルなど。

    これらのストレスが一時的なものでしたら自律神経が乱れることは少ないのです。
    しかしストレスを強く受けていると視床下部で交感神経が働き身体が緊張状態になり血管を収縮させます。
    これが慢性的に続くことにより、脳内で血行障害が起きます。
    すると、視床下部に十分な栄養と酸素が来ないため、誤った判断をして更に交感神経を過剰に緊張させ副交感神経を働かなくします。
    最終的には心も体も休む事ができなくなる悪循環に陥ります。
    これが自律神経失調症です。
    そして自律神経失調症が悪化していくことでうつ病になっていきます。
    自律神経が乱れ唾液分泌が上手く行われないため口が乾く状態になるのです。

  7. 噛む筋力の低下
    現代人は噛む回数が極端に減っています。
    日本人の噛む回数は、戦前は1400回位だったのが現在は600回位に減っているようです。
    理由は、忙しく食事に時間をかけていられないのと、ジャンクフードを代表とした食べやすく柔らかい食べ物が、支流になった為だと言われています。
    固い食べ物や噛む回数が減って、咀嚼筋などがお捉えたり唾液の分泌が減ったりしたため口の中が乾きやすくなるのです。
    他にも顎の発達にも影響して永久歯が生えてこなかったり、顎関節症になりやすくなり、早く食べる事により、満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎてしまい肥満にもなりやすいです。

  8. シェーグレン症候群
    シェーグレン症候群とは自己免疫疾患のひとつです。
    目の乾きと唾液の分泌低下が主な症状です。
    推測で日本では、50万人の患者さんがいると言われています。
    シェーグレン症候群の原因もストレスです。
    自己免疫疾患とは、身体に侵入してきた異物を攻撃する免疫システムが機能しなくなる病気で、自分自身の組織を敵と見なし攻撃してしまうのです。
    ドライマウスでは、唾液腺を自分のリンパ球が攻撃してしまうために起こります。
    他にも、外分泌腺の涙腺や鼻腔、消化器におよび胃液の分泌液低下により胃炎などがおこり、分泌液低下以外にも全身の倦怠感、発熱、指のしびれなどの抹消神経障害や関節リウマチの人もいるようです。

ドライマウスの治療法・対処法

ドライマウスになる原因は1つではありませんので、まず原因を特定してその除去が重要になってきます。
まず基礎疾患の糖尿病や腎疾患のある場合は、その治療に専念しましょう。
ドライマウスが辛いかと言ってその治療を疎かにして基礎疾患が悪化するようでは意味がありません。
勝手に薬をやめてしまうと治したい症状を悪化してしまう恐れがありますので、処方してくれた担当の先生に相談をして変更、減量してもらいましょう。

ドライマウスの薬、漢方

  1. セビメリン塩酸塩水和物(サリグレン・エボザック)
  2. ピロカルピン塩酸塩(サラジェン)
  3. アネトールトリチオン(フェルビテン)
  4. 漢方薬(麦門冬湯・白虎加人参湯)

この4つは、唾液分泌促進効果のある薬剤です。 症状により飲む薬も変わりますし副作用もありますので医師の指示に従いましょう。
他に「老化」「筋力低下」「シェーグレン症候群」が主の原因の治療法は口腔機能療法(OralFunctional Therapy:OTF)がよいでしょう。
OTFとは、筋機能療法(Myofunctional Therapy:MFT)を応用した口唇や舌運動を促進することによる唾液分泌改善と、口閉鎖の是正や呼吸法、姿勢、生活指導を行う治療法です。

筋機能療法(Myofunctional Therapy:MFT)のトレーニングを行います。
舌や口腔周辺筋の筋肉アップにより正しい嚥下方法を身につけます。口呼吸に効果があると言われています。

トレーニング方法

  1. 舌運動
    • ポッピング(舌うち):1日2回(1セット20回)
      舌尖を口蓋の切歯乳頭付近ではじき、音を出します。
      舌下腺の刺激とともに舌の動きをよくします。
    • オープン&クローズ:1日2回(1セット8回)
      舌を吸い上げながら口を開けたり閉じたりします。
      舌下腺・顎下線への刺激
    • タングドラッグ:1日2回(1セット8回)
      舌を吸い上げながら硬口蓋から軟口蓋へと移動させる。
      口蓋腺への刺激と舌位の安定をはかります。
  2. 舌・咀嚼力の強化
    • スラープスワロー:1日1回(1セット左右10回ずつ)
      歯を噛み合わせた状態で口唇を開け、口角から臼歯部に向かってスプレーで水を入れ、吸い込むようにして飲みます。
      舌側方部と臼歯部周囲筋の強化と嚥下機能向上
  3. 舌・嚥下機能の強化
    • 「カッ」!スワロー:1日1回(1セット8回)
      口を大きく開けてお腹から「カッ」と言い、口を開けたまま、軟口蓋に向けてスプレーで水を入れそのまま飲み込みます。
      舌後方と咽頭部の意識を高めます。
  4. 口唇運動
    • イーウー:1日2回(1セット20回)
      歯を噛み合わせた状態で「イーウー」と言います。
      口唇腺・頬腺への刺激
    • ボタンプル:1日2回(1セット20回)
      歯を噛み合わせた状態で、前歯と口唇の間にボタンを挟み引っ張ります。
      口唇腺への刺激と口唇閉鎖力の強化

●口唇閉鎖の是正や呼吸法、姿勢の指導により口呼吸を改善。
姿勢が悪いと口呼吸や舌の位置が安定しないため、正しい姿勢を指導して鼻呼吸出来るようにする。
正しい姿勢の指導を受けてもなかなか姿勢が改善しない場合は、整体やカイロプラクティック等で姿勢の矯正をすると良いでしょう。

●うつ病、自律神経失調症が原因でドライマウスになっている方は、うつ病や自律神経失調症を治す必要があります。
病院で治療を行う場合もあれば、当院のようにうつ病や自律神経失調症に対応できる治療院などを利用するのもお勧めです。
また、先ほどお伝えした4つのストレス(精神的・構造的・化学的・温度と湿度)のどのストレスを受けているかを考え、たくさん受けているストレスに対して対処するといいでしょう。

●食生活指導による生活習慣の改善。
適切な食生活の提案や噛みごたえある食事の提案。
唾液分泌は、自律神経の支配を受けているので生活リズムの安定が自律神経の安定に繋がるため、生活状況の改善を指導する。(化学的ストレスと精神的ストレスの軽減)

ドライマウスの対処方法

対処方法は、薬と違い副作用がなく薬より口腔内の不快な症状を素早く取り除く事が可能です。
どの原因のドライマウスにも対応可能なのが特徴である。

  • 人口唾液
    スプレータイプが多く、喉が乾いた時にお水を飲む変わりに口の中に数回使用するものです。
    特徴は、唾液とほぼ同じ成分が使用されていて保湿効果に加え甘味、酸味の刺激による唾液分泌刺激効果も期待できるようです。手間がかからないのもいいですね。
    欠点は、液体なので長時間維持が出来ないと言う所があります。

  • 保湿ジェル
    特徴は、唾液にほぼ近い成分が使われている。
    ラクトフェリンやリゾチームといった抗菌物質や上皮細胞成長因子が含まれ粘膜修復作用もあるようです。
    口の中に留まりやすいのがスプレータイプより長いですが、口の中がネバネバする欠点もあります。

  • 保湿配合洗浄液
    うがい薬のように使います。保湿効果が高いですが、液体なのでジェルに比べると長くは、維持出来ません。

  • 保湿装置
    モイスチャープレートといい、患者の歯型や上アゴに合わせつくられます。
    入れ歯のプレートやマウスピースの様なものです。
    特徴は、睡眠中に口が乾いて辛い人にお勧めで、保湿液など湿らせた物を入れておくと口腔内に少しずつ供給されます。

対処法の他に日常で注意することを細かくまとめてみましたので、参考にするとよいでしょう。

  1. 口腔内の湿潤に気をつける。
    口に中を潤す事が、重要です。コマ目に水分を摂取しましょう。
    その時、糖分の入った飲み物は、虫歯や糖尿病になりやすく、コーヒー、お茶も利尿作用があるため体内の水分が排出されるため脱水状態になりやすく唾液分泌が低下します。
    コーヒー、お茶はカフェインが含まれているので、自律神経の交感神経が働きやすくなり、これも唾液の分泌が阻害されます。
    きれいなお水がいいでしょう。アルコールは水分になりません。

  2. 部屋の湿度にも注意。
    乾燥すると菌、ウイルスが繁殖しやすいので風邪を引くと鼻が詰まり、口呼吸になり口腔内の乾燥しやすくなります。

  3. 口腔内を清潔に
    唾液の分泌量が減ると口の中が不潔になり口臭の原因になります。
    歯磨きやうがいを毎日必ず行いましょう。

  4. 咀嚼回数を増やす。
    2章でもお伝えしましたが、口の周りの筋肉が衰え咀嚼の回数が減ると唾液の分泌が低下します。
    筋肉が衰えないようによく噛み、歯ごたえのある物を食べるようにしましょう。
    ガムや飴を食べるのも有効です。(シュガーレスがお勧めです。)

  5. 軽い運動を行う。
    自律神経が唾液腺をコントロールしているのは、お伝えしました。
    ストレスで自律神経が、乱れますのでストレスに負けない心身を作るために適度な運動で身体を鍛え、身体を動かす事でストレス発散をしましょう。
    激しい運動は、逆効果になりますので自分の体力にあった運動をお勧めします。
    ストレッチやウォーキング等。

この様に、ドライマウスは様々な治療法、対処法があります。

ドライマウスのまとめ

ドライマウスは現代病の1つです。
ストレス社会と言われ続け、何年も経過しています。
しかしいつの時代もストレスはあったでしょう。
なぜ、今は現代病(うつ病、自律神経失調症など)が年々増え続けているのでしょうか?
私は、原因は2つあると思います。

1つ目は、インターネットの普及でしょう。
情報社会で便利になり物凄いスピードで情報が流れ社会が進みそれに対応しようと、頑張り過ぎてしまい脳や身体が疲れしかし休んだら世の中から取り残されるという強迫観念が出てしまい、また頑張り身体がついていけなくなっているのだと思います。

2つ目は、食生活の急激な変化でしょう。
日本は、戦後急激に発展して食文化も欧米の高カロリー、高タンパク質に変わり、身体が新しい食の消化分解に間に合わず、身体の不調が出てきているのだと思われます。

現代病の1つであるドライマウスは生死に直接関わる事は、少ないですがドライマウスは、重大な病気になる前の身体からの警告信号と捉えましょう。

口が乾く事により、口臭が気になって人と会話したりすることが出来なくなります。
これをストレスと感じる人は多く、元々ストレスが多くてドライマウスになっているのに、更にストレスを抱え込むことになります。
ストレスがたまると自律神経失調症やうつ病、そして引きこもりになる恐れもあります。
また、唾液が分泌されない事でウイルスに感染しやすくもなります。
更に味覚が鈍感になるため、味の濃い食べ物を食べるようになります。
すると高血圧になり、心臓病や脳梗塞にもなる可能性も増えます。

最近では、柔らかい食べ物が流行っているため、噛む回数が減ることで顎関節症や舌痛症の人が増えています。
口の乾きを軽視しないで身体からの警告信号と思い、日常生活を改めることにより健康でより良い生活が送れるでしょう。

ドライマウスの症状と自律神経失調症の関係はこちら


参考文献

  • 「現代病」ドライマウスを治す。
    発行 2007年05月21日   株式会社 講談社
    著者 斎藤一郎       発行者 野間佐和子

  • これで解決!!ドライマウス
    発行 2009年03月08日   株式会社 永末書店
    著者 中川洋一 斎藤一郎  発行者 永末摩美

  • ドライマウス 今日から改善・お口のかわき
    発行 2010年06月25日   医歯薬出版株式会社
    著者 阪井丘芳       発行者 大畑秀穂

  • ストレスは、見える!すべては「噛みしめ」が原因だった
    発行 2009年06月20日   みずほ出版新社 株式会社
    著者 亀井英志       発行者 羽田直仁


健療施術院(けんりょうせじゅついん)とは、
「整体療法の専門家集団」と言われる整体院。
地元藤沢市で1992年から整体療法の実績があり、
院長の鈴木直人を中心として、生理学・解剖学・
スポーツバイオメカ二クス・姿勢分類学・東洋医学・
心理学など、症状に関わる全てのことを日々研究している。


うつ病・自律神経失調症などの対処法を院内研修で常に行っている。

健療施術院主催のうつ病・自律神経失調症の研究会には、神奈川県内からだけでなく、奈良・仙台・栃木・茨木・埼玉・東京・千葉・高知・新潟・富山・滋賀からも多くの先生が集まっている。

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