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女性ホルモンが乱れると、自律神経が乱れる

☆女性ホルモンについてレポートしています。

~ 2017年 佐久間レポート「女性ホルモンと自律神経の深い関係」vol.1 ~


 月経の経験のある女性であれば、いわゆる「生理痛」だけでなく、生理前の「だる重い感じ」「イライラ感」「何もする気がおきない感じ」など、とにかく「いつもと違うイヤな感じ」を一度は体感したことがあるのではないでしょうか。

 また、身近にいる女性がそのような状態にあるのを目の当たりにしたり、ときには理由もわからずイライラをぶつけられたりした経験のある男性もいるかもしれませんね。


 同じ女性でもほぼ毎月つらさを味わっている方もいれば、さほど気にならないことが多いという方もいて、人により症状やその感じ方などの程度は様々です。
それだけに、単純に他人と比較できるものでもなく、ひとり悩んでいたり、辛さを我慢して頑張っていたりという方も多いのではないでしょうか。


 ここではまず、月経や妊娠だけでなく、普段から女性(のみならず実は男性も!)の体を守り、健康に保つためにあらゆる場面で働いている「女性ホルモン」について簡単にまとめています。


 次に、女性ホルモンと月経(生理)のしくみでは女性が人生の半分近くのあいだ付き合うこととなる生理について、しくみや周期、またそれに伴う不調についても、そのメカニズムや女性ホルモンとの関りを交えて述べます。


 最後に、女性ホルモンと自律神経が乱れる原因、ストレスを減らすでは女性ホルモンと同様にあらゆる場面で体の調整をしている自律神経との関わりについても触れ、「なんだかよくわからない不調」を改善するためのポイントもあわせてお伝えしていきます。


 女性特有の周期や女性ホルモンの働きについて、その複雑で繊細な仕組みを少しでも知ることで、女性がご自身の体をあらためて見直し、より自分を大切にするきっかけとなればと思います。
また、男性にとっても女性への理解が深まる良い機会となれば幸いです。


女性ホルモンが乱れると、自律神経が乱れる

女性ホルモンは、生理、妊娠、出産などに関わるホルモン

 「ホルモン」とは本来、体内で作られて血液によって運ばれ、作られた場所から離れた部分に何らかの作用をする物質のことをいいます。
例えば、よく知られている「成長ホルモン」は、脳の下垂体というところから分泌され、骨や筋肉の成長を促したり、炭水化物や脂質などの代謝を促したりと、体全体に作用します。


 女性ホルモンは、その名の通り女性特有の生殖機能にかかわる作用(生理、妊娠、出産など)が代表的ですが、実際には日常的に心身ともに健康でいるための様々な役割を担ってくれています。
意外と思う方もいるでしょうが、女性ホルモンは男性の体内でも少量ですが分泌されており、大事な働きをしているのです。


 ここで取り上げるのは以下の2つの女性ホルモンです。



 一般に「女性ホルモン」という時、エストロゲンのみを指す場合もありますが、ここではこの2つを合わせて「女性ホルモン」と呼びます。


女性ホルモンの種類と主な働き

エストロゲン(卵胞ホルモン)

 エストロゲンは、主に卵巣の中にある「卵胞」(卵子を包んでいる袋状のもの)から分泌されます。
排卵後に卵胞が変化した「黄体」からも引き続き分泌されます。


 また、量は少ないのですが、男女ともに副腎や脳でも作られています。
女性はいずれ閉経前後のいわゆる「更年期」のタイミングや、子宮や卵巣の病気の影響などで卵巣からの分泌が減ったりなくなったりしますが、副腎など別の場所での分泌は細々と続けられているのです。


 なお、妊娠中に限り、おなかの赤ちゃんの副腎から出る物質をもとに、胎盤でもエストロゲンが作られます。


 エストロゲンの分泌量と血中濃度は、生後~幼年期のあいだは男女ともに低い値に保たれますが、女性では思春期の手前くらいからその分泌量が徐々に高まります。
そして、最初の月経から閉経までは、男性と比べてかなり高い値が維持されるようになります。
また、月経周期のなかで特徴のある変動が見られます。


エストロゲン(卵胞ホルモン)の主な働き

 エストロゲンには、ざっと並べるだけでも以下のような機能があります。
これはほんの一部です。



 ※オキシトシン:「愛情ホルモン」とも呼ばれ、愛着の形成や良好な人間関係の構築に関与するといわれ、幸せを感じるホルモンともいわれている。
子宮筋を収縮させて出産を促す。


 ※セロトニン:精神の安定作用をもつ神経伝達物質。不足すると不安やうつ症状につながる。


 ※報酬系:「欲求を満たして快感を得る」という行動を起こさせる神経回路。
活性化されると脳や自律神経が活性化する。


 一見して万能に思えるエストロゲンですが、その性質が逆に子宮疾患を増悪させたり、乳がんや子宮体がんのリスクを高めたりすることがあります。
「ホルモンバランス」という言葉の通り、絶妙なバランスを保つことで、ホルモンはその作用をプラス方向に発揮することができます。
単にたくさんの量があれば良いというわけではありません。
ホルモンが多いと過剰に働き、本来の作用が障害される場合もあることを知っておく必要があります。


エストロゲン(黄体ホルモン)のような働きをする植物エストロゲン

 体内で作られるエストロゲンに比べて作用はかなり弱いものの、植物中にもエストロゲンのような働きをする物質があり、それを「植物エストロゲン」と呼びます。
代表的なものに、豆乳などに含まれる「イソフラボン」があります。


 イソフラボンなどの植物エストロゲンには、体内のエストロゲンが少ない場合にはその作用を強め、逆に多い場合には低下させるように働くといいます。
しかし、過剰摂取には注意が必要です。(厚生労働省による1日の摂取量上限は70~75mg)


プロゲステロン(黄体ホルモン)

 プロゲステロンは通常、排卵後に残った卵胞が変化した「黄体」というものから分泌されます。
妊娠して胎盤ができると、胎盤からも分泌されます。
また、エストロゲン同様に副腎でも生成されます。


 プロゲステロンの受容体(ホルモンを受け止めて細胞内部へ運ぶ役割をするもの)は、体の様々な部位にあります。
血管や骨、肺、喉、目、皮膚など、また脳のうち情動を司る大脳辺縁系には非常に多くあります。
基本的には妊娠を維持して胎児を守るように作用するため、水分や栄養を蓄えて子宮まわりの動きを穏やかにします。


 月経前に不調があらわれる「月経前症候群(PMS)」が黄体期に起こることから、プロゲステロンの働きが影響していると考えられます。


プロゲステロン(黄体ホルモン)の主な働き


 ※プロスタグランジン:傷や体への刺激に反応して作られ、痛みを伝える、子宮などの筋肉を収縮させるなどの働きがある。生理痛の原因となる。


このページでは、「女性ホルモンと自律神経の深い関係」についてお伝えしました。
次の「女性ホルモンと月経(生理)のしくみ」では、女性ホルモンと月経(生理)の関わりについてまとめています。


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