呼吸と心

更新日:2014.07.10

肉体と心を繋ぐ架け橋が「呼吸」

今回は「呼吸」のおはなしをしたいと思います。 いきなりですが「息」という漢字をよく見てみましょう。「自らの心」と書きますね。イライラしている時、緊張している時は呼吸が浅く、早くなります。逆にリラックスしている時は呼吸も穏やかです。

ヨガの古い教典の中にも「息が迷えば心も乱れ、息が鎮まれば心も鎮まる」とあり、それほどまでに心の状態と関係していると考えられています。

呼吸と自律神経

呼吸は自律神経がコントロールしています。(自律神経については詳しくは鈴木院長の本を読んで下さいね) 内臓の働きや血液循環など、自身でコントロールできない器官に比べて、呼吸だけは唯一自分で意識して変えることができます。ですから、正しい呼吸法を行えば心に直接働きかけることができるのです。

ヨガでは呼吸のコントロール法(調気法)のことを「プラーナ・ヤーマ」と言います。プラーナとは東洋思想でいうところの「氣」に似た生命エネルギーそのものを指していて、調気法を行うと、生命エネルギーが満ち、活力が増して免疫機能が高まり、心を落ち着かせることができると考えられています。

正しい呼吸を行うメリット

医学的に見ても、吸う息は「交感神経」に、吐く息は「副交感神経」に通じていて、長く吐く息は副交感神経が優位に働きリラックスします。深い腹式呼吸は、横隔膜を動かし、内臓が動くことで血液やリンパ液の流れが促進されます。

また、高齢になると肺は萎縮し、とくに下の方が押しつぶされてガス交換率が下がって抵抗力も落ちがちですが、腹式呼吸は肺の下部を活性化するので肺を丈夫にします。でも、深い腹式呼吸がいいと言われても、慣れていなかったり、心の状態によっては上手くできないこともあります。

呼吸とイメージ

私は気持ちを落ち着かせたい時、よく潮の満ち引きをイメージします。きれいな海を想い描いて、寄せては返す穏やかな波のリズムに呼吸を合わせます。そして吸う息と共に生命エネルギーを吸い込むとイメージをするのです。すると心が穏やかになります。

声を出すこともお勧めです。例えば「オー」という低い声を使います。声の力をかりると吐く息が長くなります。吐きながら同時に声を発することは、否定的な考えや感情がもたらした緊張感を取り除くのに役に立ちます。やってみると自分の声が頭に響いて心地良いですよ。

まずは呼吸に意識を向けてみてください。自分の呼吸がどうなっているか、一日のうち1分や2分でも呼吸を感じて観察してみて下さい。呼吸を通して今の自分を感じてあげます。

ヨガは、ポーズだけを重視するものではありません。一番解りやすい(感じやすい)からだを通して心を観ていくものです。その肉体と心を繋ぐ架け橋が「呼吸」です。


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