足るを知る者は富む

更新日:2019.06.30

執 筆:整体師 道永真由己

老子から学ぶ、自分本来のあり方

「足るを知る」という言葉をご存じですか?
これは、2000年以上前に書かれた老子の言葉です。
実は、これには続きがあるんです!

足るを知るの続きとは

【書き下し文】

人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり。 人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、強(つと)めて行う者は志を有す。
其の所を失わざる者は久しく、死して而(しか)も亡びざる者は寿(いのちなが)し。


【現代語訳】

他人を理解する事は、普通の知恵の働きであるが、自分自身を理解する事はさらに優れた明らかな知恵の働きである。
他人に勝つには力が必要だが、自分自身に打ち勝つには本当の強さが必要だ。
満足する事を知っている人間が本当に豊かな人間で、努力を続ける人間はそれだけで既に目的を果たしている。
自分本来のあり方を忘れないのが長続きをするコツである。
死に囚われず、「道」に沿ってありのままの自分を受け入れる事が本来の長生きである。
(老子第33章引用)

全てをあるがまま受け入れ、心豊かに過ごす

「足るを知る」とは、「欲張らず、頑張らず、程々で満足すればいい」、妥協や諦めで「これでいい」という意味ではなく、「これがいい」と思えることです。
自分が今持っているもの、今あるもの、ご自身がこれまで歩いてきた道、得たもの・失ったものなど、全てをあるがまま受け入れ、感謝すること、満足すること、大切にすることです。
足ることを知っている者は、心豊かに生きることができるのだと老子は説いています。

欠けを埋めるだけでは、満たされない

誰しも生きていると、幸せなことやいいことばかりだけでなく、辛く苦しいときもあるでしょう。
健康、病気、仕事、人間関係、お金、将来のことなど、私たちの心の中では、意識しているもの・無意識のものも含め、1日3万以上もの様々な思いが去来しています(その大半は取るに足らないものばかりです)。

心は、その特性を理解し、適切に使い、活かすことができれば、創造性豊かに様々なものを生み出したり、願望を実現したり、無限の可能性を生み出すことができます。
その反面、扱い方を間違えたり、欲望や、過去の失敗、記憶、エゴなどに囚われ、ゆがんでしまった心の言いなりになってしまうと、心が霧や闇に覆われていってしまいます。

今ある現状や環境に満足できず、外の世界に足りない何かを求め、それを得ることで欲求を満たそうとする人も多くいます。
たとえ、その何かを得たとしても、一時的な満足や喜びでしかなく、またさらに別な何かを望み、欠けを埋める為に努力し、頑張って。いつしか、頑張り続けるループの中でしか生きられなくなってしまいます。

もちろん、欲求も大切なことです。欲があるからこそ、努力することができます。成長することができます。
ただ、欠けを満たす為だけの頑張りは、いつまでたっても本当の意味で満たされることはなく、自分自身も報われず、いつしか心が疲弊してしまいます。
頑張ることと、「足るを知る」ことで幸福感を得るということとのバランスをとることが大切です。

自分の足るを知り、周りに囚われず生きよう

明〇家△んまさんの座右の銘は、「生きているだけで丸儲け」なのだそうです。
本当に心豊かな人は、どんな状況、どんな状態であったとしても、自分には価値があり、今生かされていること、命を授かっていることへの足る(満足・感謝)を知っているものです。
幸せや豊かさの形は人それぞれ異なります。

人と比べたり、世間の基準に合わせたり、流されたりするのではなく、自分にとって何が幸せなのか、何が「足る(満足する)」ものなのかを知ることが大切なのではないでしょうか。


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