脳が活性化するコミュニケーション

更新日:2021.12.02

執 筆:整体師 鈴木頼子

昨年からのコロナ禍において、人と直接会えることの有難さ、コミュニケーションの大切さを身に染みて感じている方も多いかと思います。

コミュニケーションというと、現代では、直接会ったり電話をしたりする他にも、メール、SNS、オンランなど様々なツールがありますね。
それぞれの良さもありますが、やはり「実際に人と会って話せることが一番いいな~」と感じるのではないでしょうか?

コミュニケーションで脳を活性化

この、直接会って話す、会話する、は、当たり前に行っている行為ですが、実は脳にとっては非常に高度な働きなのです。
つまり、脳が非常に活性化するのです。

大脳の表層部のおでこのあたりに「前頭前野(ぜんとうぜんや)」と呼ばれる場所があります。
ヨガで「第3の眼」と呼ばれる部分がありますが、ちょうどこの眉間のあたりになります。

哺乳類はこの前頭前野が発達していて、大脳に占める割合が大きのですが、ネコ3.5%、犬7%、サル11.5%、チンパンジー17%なのに対して、ヒトでは29%を占めているといわれています(このことからも、ヒトの前頭前野がいかに大きいかがわかりますね)。

前頭前野の働きは人間らしさを司るともいわれていて、考える、集中する、記憶する、アイデアを出す、判断する、などの他にも、感情をコントロールする、コミュニケーションをとるなどの働きをしています。

ですので、この部分が活性化すると、意欲的に働けるだけでなく、周りの人に共感してコミュニケーションを円滑にするといった、社会的な行動をとれるようにもなるのです。

例えば、非言語(言語に現れていないこと)の情報・・・
相手の表情を読み取って気持ちを察することや、大勢集まる場所で今どういう状況にあって、自分は今どんな言動をするのがよいか・・、など、よく言われる「空気を読む」ことができるのも、前頭前野が活発に働くからなのです。

コロナ禍で直接人と会う機会が減っていたところ、久々に人に会ったら言葉がスムーズに出なかった・・なんて方もいましたが、その位、直接人と会う、そして相手の様子を見ながら話をするということは、脳にとっても良い刺激になっているのですね。
(実際、研究により、電話やオンラインでのコミュニケーションよりも前頭前野が活性化されることがわかっています。)

前頭前野を活性化するもう一つの方法

この前頭前野を活性化するには、人に会うことも非常に大事ですが、その他に、呼吸法でも活性化することがわかっています。
特に、吐く息を意識的にゆっくり行う呼吸は、前頭前野の血流をアップさせ、その働きを高めます。

人間関係でドラブルが起こりやすい、ストレスを溜めやすい方は、息をゆっくり吐くことを心がけてみてくださいね。
そのうえで人と直接会って話してみると良いのではないでしょうか?


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