血流を悪くする原因と対策

更新日:2014.07.14

執 筆:鈴木能鷹

血液の流れが悪くなる原因と、その対策とは?

~ 「血流」vol.2 ~

血流を悪くする主な原因は「体の冷え」です。それは、現代日本人の乱れた生活習慣が招いています。

血流を悪くする原因

運動不足

戦後(特に1960年以降)、生活が便利になったため、肉体労働が極端に不足して筋力が低下しました。体温の40%以上は筋肉で産生されます。また、筋肉内には多数の毛細血管が存在するので筋肉を動かす機会が減ると体温は低下し、血流も悪くなります。

食べ過ぎ

食べ過ぎは冷えの大きな原因です。食べ過ぎると消化のために血液は胃腸に集中し、産熱量の多い骨格筋、脳、心臓の筋肉をはじめ、胃腸以外の器官や細胞への血液供給量が低下するため、体温は低下してしまいます。

また、戦後日本人が多く採るようになった肉や卵、牛乳、バター、マヨネーズなどの高脂肪食品は、つい食べ過ぎてしまう傾向にあります。

水分の摂り過ぎ

運動をしている人は別ですが、水分を取り過ぎると汗や尿で十分に排泄できない人は体が冷え、血流も悪くなります。自律神経失調症やうつの方は体が冷えている方が多い。そして血液の流れが悪い方が多い。

そのため、水分の取りすぎで体を冷やすのは非常によくありません。
のどが渇く場合はお湯を飲むことをお勧めします。

塩分の控え過ぎ

全国的に減塩運動が広まりましたが、塩分には体を温める作用があります。塩分を控え過ぎることは、現代日本人の低体温の一因となり代謝と免疫力、血流の低下を招きます。また、一部では塩分と高血圧は関係がないとも言われています。

陰性食品の摂りすぎ

漢方では陰陽思想に基づき、食材も「陽」=体を温める食べ物(陽性食品)、「陰」=体を冷やす食べ物(陰性食品)と区別しています。欧米風の料理、生野菜、南方産の果物などは総て体を冷やす「陰性食品」です。

また、コーヒーや清涼飲料水なども体を冷やします。体が冷えやすいうつや自律神経失調症の方は控える必要があります。

入浴法が悪い

特に夏などに湯船に入らずシャワーで済ませる人が多いようです。温かいお湯に浸かる入浴は、全身の血流を良くして臓器や細胞の新陳代謝を促進して体温を上げる効果があります。また、発汗や排尿を増やすことにより余分な水分も排泄してくれますので湯船には入ることをお勧めします。

エアコンの普及

体が冷えるといえば、かつては当たり前のように「冬」の現象でした。しかし、現在はエアコンの普及に伴い、効き過ぎた冷房による「夏の冷え」を招きました。運動不足や水分の摂り過ぎなどで体温は下がっているのに、薄着をして汗もかかない生活をしていれば当然体は冷えます。

さらに、屋外と室内の温度差があまりにも大きいため、体温を調整する自律神経にも大きな負担がかかり、あらゆる不調を引き起こす要因にもなります。

ストレス

心臓や内臓、血管、内分泌腺などは人間の意思に関係なく、自動的に自律神経によって調節されています。血流もその一つです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、血管を収縮させて緊張したり、興奮したりするのが交感神経、血管を拡張させてリラックスしたり安静にするのが副交感神経です。

つまり心身にストレスが加わると、交感神経が優位な状態になります。そのため、血管の収縮が起こり血流も悪くなり、冷えの原因になります。複雑な人間関係や環境のストレスによって心身の病気を招いています。

血流を良くするための対策とは?

入浴

手軽に出来る血管拡張法といえば、お風呂に入ることです。入浴の効果には、次のような事が挙げられます(38~40度の少しぬるめのお湯に20~30分ゆっくり浸かる)。

入浴の効果

温熱による血管拡張作用や、静水圧によるマッサージ効果で血流が良くなり内臓や筋肉などへの酸素供給や栄養補給が増え、疲労回復や病気の予防、改善につながる。 ちなみに体温が一度上昇すると白血球の働きが5~6倍になり、免疫力も5~6倍になります。

また、血栓を溶かす作用のあるプラスミン(酵素)の産生を増やし、アセチルコリン(リラックスホルモン)の分泌が促進され、心身ともにリラックスできますので、うつや自律神経失調症の方はお勧めです。しかし、非常に疲れを感じるときは入浴することで更に疲労が増しますのでそのような時は無理に入らない方がいいでしょう。

運動

全身の血液循環は心臓が要になって行われていますが、こぶし大の大きさしかない心臓だけでは十分ではありません。その心臓を助けているのが、筋肉の「ミルキングアクション(乳搾り効果)」と呼ばれる反応です。

筋肉が収縮や弛緩するとき筋肉内を走っている血管も並行して収縮と弛緩を行い、血液をポンプの様に送り返しています。運動することで血液を送り出すポンプ(足の筋肉)が強くなり、筋肉量が増えて、基礎代謝量が多くなり熱を生みやすい体になります。

運動不足になると...

足は第二の心臓とも呼ばれていて、全身の筋肉の約7割が下半身に存在するので、特に足を中心に動かしたり、足を温めたりすることが重要です。普段あまり体を動かさないとこのポンプの力が弱くなり、血行不良になってしまうのです。

体が冷えるとブルブルと震えるのは、体を温めるために筋肉が自然に動く現象です。運動不足で筋肉が細くなったり、ダイエットなどで新陳代謝が落ちていると熱を生み出す力が弱まってしまいます。生み出す熱が少なければ、いくら厚着をしても温まりません。

ですから、運動は「温まりやすい体」になるためにはとても効果的なのです。

具体的な運動

今まで運動する習慣が無かった人は、ウォーキングから始め、その時間や場所が無い人は、その場でできるスクワットやもも上げ運動などから習慣づけるとよいでしょう。また、全身の血流を良くするには、腹筋や横隔膜を鍛え、内臓に張りめぐらされている血管を刺激して血流を良くすることも大切です。

横隔膜の運動を高める方法に腹式呼吸があります。吐く息を意識することで副交感神経の働きを優位にし、心身の緊張が和らぎ、血管も拡張して血流が良くなり、白血球も本来の働きを取り戻して免疫力を上げる効果もあります。

食べ物

食べ物を、体を温める「陽性食品」と、体を冷やす「陰性食品」に分ける考え方はすでにお伝えしましたが、人間の体質もまた、「陽」と「陰」に分けられます。簡単な見分け方として、陽性体質は筋肉が発達していて、血圧、体温も高く、食欲も旺盛。一方、陰性体質は筋肉が少なく、色白で冷え性、肩コリや頭痛、息切れなどに悩むことが多いといえます。

現代の日本人は、平熱が低い低体温の人が激増していることからもわかるように、多くの人が陰性体質化しているので、体を温めて血流を良くするために、ほとんどの人が陽性食品を毎日しっかり食べる必要があるといえるでしょう。

食品の見分け方

食品の陰陽を見分ける方法は、植物性/動物性、南方産/北方産、酸っぱい/塩辛い、葉菜/根菜、などがあります。外見の見分け方としては、色で見分けることができます、「青、白、緑」の食べ物は体を冷やします。「赤、黒、橙」の食べ物は体を温めます。ただし例外もあり、トマトやカレー、コーヒーなどは、色が濃くても、体を冷やす食べ物に属しています。

つまり、色よりも産地が優先されます「北方産=温める」「南方産=冷やす」。また、玄米、大豆、芋、アワ、キビ、ヒエ、トウモロコシなど、人類が長年主食にしてきた食べ物は、冷やしも温めもしないので、どんな体質の人でも食べてもよい「間性食品」といえます。


体の仕組み

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