副腎の解剖学

更新日:2017.07.07

執 筆:整体師 中川裕二

☆うつ・自律神経と副腎の関係についてお話しています。

~ 「うつ・自律神経と副腎の関係」vol.2 ~

副腎の位置と大きさ

まずは副腎の解剖学的なことからお伝えいたします。
副腎は腎臓の上部に位置し、ホルモンを分泌する臓器になります。
大きさはソラマメ程度のとても小さな臓器ですが、うつ・自律神経と副腎の関係でお伝えしたようにストレスと深く関係し、その働きは体全体に及ぶために、非常に重要な臓器になります。

副腎の構造

副腎の外側の部分を副腎皮質(ふくじんひしつ)、内側の部分を副腎髄質(ふくじんずいしつ)といい、それぞれ別々のホルモンを分泌したりします。
では、この副腎皮質と副腎髄質のそれぞれについてお伝えしていきます。

副腎皮質の働き

副腎皮質は大まかに分けると、

  • 鉱質コルチコイド
  • 糖質コルチコイド
  • 副腎アンドロゲン

の3種類のホルモンを分泌します。

鉱質コルチコイド

電解質コルチコイド・ミネラルコルチコイドと呼ばれることも。
ナトリウムやカリウムなどのミネラル分の調節に関わるステロイドホルモンで、主な成分としてアルドステロンがあります。

アルドステロンの作用

  • 腎臓において塩素イオンとナトリウムイオンの再吸収を促進させる
  • 腎臓においてカリウムイオン、マグネシウムイオン、水素イオンの排泄を促進する

分泌過剰によりおこる症状

  • 高血圧
  • 筋力低下
  • 脱力感やしびれ、感覚障害
  • テタニー(カルシウム濃度低下による筋肉のけいれんなどがおこる)
  • 知覚障害(体の感覚が感じにくくなる)
  • 多尿
  • 吐き気

分泌減少によりおこる症状

  • 低血圧

糖質コルチコイド(グルココルチコイド)

糖質の代謝に関与するステロイドホルモン。主な物として、

  • コルチゾン
  • コルチゾール
  • コルチコステロン

の3種類があります。

糖質コルチコイドの作用

  • 肝臓での糖新生(とうしんせい:タンパク質や脂肪を分解して糖に変換する)を促進させ、血糖値を上昇させる
  • 脂肪代謝が促進されることで脂肪分布を変化させる(四肢の脂肪を吸収し、体幹部に蓄積)
  • 種々のストレス刺激に対する抵抗を高める抗ショック作用
  • 胃酸、ペプシンの分泌を亢進させ、粘液分泌を抑制する
    (長期にわたりストレスを受け続けると糖質コルチコイドが分泌され続ける為、胃潰瘍をおこしやすくなる)
  • 胸腺などリンパ系の萎縮をひきおこし、免疫機能を低下させる
  • 抗炎症、抗アレルギー作用
  • 心血管系、神経系、腎臓、筋などの機能を維持する
  • 破骨細胞を増加させ、骨芽細胞を減少させる

分泌過剰によりおこる症状

  • 中心性肥満
  • 水牛様肩
  • 満月様顔貌
  • 高コレステロール血症
  • 高血圧
  • 低カリウム血症
  • 無力症
  • 骨粗鬆症
  • 体重増加
  • 下腹部の赤色皮膚線条
  • 高脂血症
  • 高血糖
  • 皮下出血
  • 筋力低下

分泌減少によりおこる症状

  • 全身倦怠感
  • 脱力感
  • 低血糖
  • 下痢
  • 不安
  • 易疲労感(疲れやすい)
  • 低血圧
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 集中力低下

副腎アンドロゲン

副腎から分泌される男性ホルモンの総称。 ステロイドホルモン(脂溶性ホルモン)。 主な物として、テストステロンがあります。

副腎皮質ホルモンの働き

副腎皮質ホルモンは、脳の直下にある脳下垂体の前部である下垂体前葉から分泌される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によって支配されています。
ストレス刺激により下垂体前葉‐副腎皮質系が働くことによって増加します。
ストレスによって血中の糖質コルチコイドの一種であるコルチゾールの濃度は正常時に比べ最大で20倍以上にも達することがあります。
コルチゾール分泌量は唾液や尿から測定できます。

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

副腎のホルモンは「副腎皮質刺激ホルモン」と関係が深いので、副腎皮質刺激ホルモンについても触れておきましょう。

副腎皮質刺激ホルモン作用

  • 副腎皮質束状層での糖質コルチコイドの合成・分泌を促進するとともに、副腎皮質を肥大させる
  • 副腎アンドロゲンの分泌を促進する
  • 弱いながらメラニン細胞刺激(色素沈着)作用がある

分泌調節

  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌は、ストレス時に視床下部からの副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)の刺激によって増加する
  • 血中の糖質コルチコイド濃度が低下すると、下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモン分泌は増加する
  • 血中の糖質コルチコイド濃度が上昇すると、負のフィードバック(ネガティブフィードバック)によって副腎皮質刺激ホルモン分泌は抑制される
  • 副腎皮質刺激ホルモン分泌量には、早朝に高く夕方に低い日内リズムがある

 このページでは、「副腎の位置と大きさ」についてお伝えしました。
次の「副腎髄質の働き」では、副腎髄質の働き、副腎から分泌されるホルモンの枯渇を防ぐ方法についてまとめています。


体の仕組み

ページの先頭に戻る

(C) 1996 健療施術院