冬の水分不足にご用心

更新日:2018.12.05

執 筆:整体師 佐久間舞

あなどれない冬の脱水

12月に入り、少しずつ冬らしい気候になってきましたね。「今年は暖冬」と言われているようで、冷え性の方やカゼをひきやすい方、「寒いとあちこち痛くなる」なんて方には朗報かもしれません。

ところで私事ですが、自宅の暖房設備の心もとなさに、今年はホットカーペットを購入してみました。すると、わくわくしながら開いた説明書に「電源をつけたまま製品の上で寝ると脱水症状になる恐れがあります」という穏やかでない文言が。そんなことで脱水って大げさな...と思いますよね?(私は思いました。)
しかし、後日うっかり寝てしまったとき、確かに何とも言えないカラカラ状態になったのです...冬の脱水、あなどれませんよ。

冬でも水分不足が起こる原因

目に見えてたくさんの汗をかく夏に比べて、冬は汗も少なくのどの渇きも感じにくいため、水分摂取量も自然と少なくなりがちです。
しかし、汗以外にも皮膚や粘膜や呼気(吐く息)からもしっかりと水分は外へ出ています。暖房などで空気が乾燥していればさらに蒸発量は増えます。

脱水症状とまではいかなくても、水分不足は色々な弊害を引き起こします。お肌の乾燥だけでは済みません。水分が不足すると...

水分不足が原因で起こる弊害

1.カゼやインフルエンザなど感染症にかかりやすくなる

鼻やのどの粘膜が乾燥すると、ウイルスを体外に排出する機能が落ちて体内に入りやすくなります。また、空気の乾燥もウイルスが漂うのに好条件を作ってしまいます。

2.血流が不足する

血液はほとんどが水分です。水分が不足すると、血液の粘性が増し(ドロドロになり)、流れが悪くなります。酸素と栄養を神経や筋肉などすみずみまで運ぶのが血液の役割ですから、酸素不足、栄養不足が体のあちこちで起こってしまいます。

3.代謝が落ちる、エネルギー不足になる

食べたものを消化吸収していく過程で、「加水分解」という水を使った分解が行われます。同様に、体を動かしたり調節したりするエネルギーのもとになる物質(ATP)を作る際にも、この分解が行われます。
要するに、体の機能を正常に保つことと動かすことに水が不可欠なのです。

4.つりやすくなる、寝違えやぎっくり腰がおこりやすくなる

2、3に関連しますが、筋肉の伸び縮みを適切にコントロールするのにもエネルギーが必要です。エネルギー不足によって、突然の筋肉の異常収縮が起こり、いわゆる「つった」状態や急激な痛みに見舞われるのです。

さらに、寒さや冷えもあいまって血流不足や筋肉の緊張も起こりやすいですから、冬はとくに要注意ですね。

水分不足にならない対策

水分不足にならない目安は、食事以外で1日1~1.5リットルを目標に摂取することです。体が冷えないよう、常温か温かいものを(できるだけカフェインレスで!)。
部屋の湿度にも気を配りましょう。
また、口呼吸はのどの粘膜を乾燥させてしまうので、つまっていても出来るだけ鼻呼吸を心がけましょう。

今年の冬は水分に気をつけて、心身ともに潤いをもって乾いた季節を乗り切りましょう!


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