眠りながら出来る 夏バテ対策

更新日:2018.07.04

執 筆:整体師 中川裕二

夏バテは自律神経の乱れから起こる

暑くなってきましたね。
まだまだ暑くなりそうですが、夏は冬に比べて気温が20~30℃高くなるのに体温がほぼ一定に保たれているのはなぜでしょう?

そうです、自律神経が働いてくれているおかげなんですね。
しかし自律神経がうまく働けなくなっている方は、気温の上昇に体がついていけずに体調を崩してしまったり、何の不調もなかった人でも真夏日が続くと徐々に体が重く感じてきたり、食欲が減退したりしますよね。

これらの不調は「夏バテ」と呼ばれ、自律神経の乱れから起こるものですが、なぜこのような事が起こるのでしょうか。

夏バテを引き起こす原因は一つではありませんが、

  • 熱帯夜で睡眠の質が落ち、体の回復や修復がうまく出来なくなる。
  • 職場や学校などのクーラーで体が冷え過ぎてしまう。
  • 冷たい物の飲み過ぎ、食べ過ぎなどで内臓に負担がかかりすぎている。

などの理由が多いですが、今回は睡眠のことについてお話します。

 

夏バテの原因となる睡眠の質

寝ている時は、体温が下がる事で体や脳のお休みモードのスイッチが入り、深い眠りにつく事ができます。
睡眠中は体表面の血流が良くなり、体温より低い温度の空気に熱を奪われることで放熱されるのですが、体温と室温の差があまりないとこの効果が薄くなってしまいます。

さらに睡眠中には汗をかき、汗が蒸発する事で体表面の熱が奪われ体温が下がるのですが、部屋の湿度が高いとベタベタするだけで熱が奪われにくくなります。

つまり、気温も湿度も高いと体温をうまく下げる事ができずお休みモードのスイッチが入らないので、深い眠りにつけずに体力を回復する力が弱まってしまうのです。

かといってエアコンで室温を下げすぎると体が冷え過ぎてしまうので、快適な睡眠を得るには以下の対策が効果的です。

睡眠時に行う夏バテ対策

  1. 室温を下げすぎずに湿度を低くし、汗が蒸発しやすい環境をつくる
  2. 体表面からの放熱ができる工夫をする

具体的にお話していきましょう。

1.室温を下げすぎずに湿度を低くし、汗が蒸発しやすい環境をつくる

この対策は、エアコンのドライ機能を使うことです。
しかし、ドライ機能を使うと湿度を下げる為にはどうしても気温も下がってしまいます。
(最近のエアコンには再熱除湿機能という、湿度を下げる時に冷えてしまった空気を温め直す機能がついているものもあるようです。)

クーラーが苦手な人は除湿機が別にあるといいですね。
除湿機は使うことで室温は下がりません、むしろ若干上がります。
ドライ機能と除湿機をうまく併用して、自分に心地良い室温と湿度をつくりましょう。

2.体表面からの放熱ができる工夫をする

この対策(こちらの方が経済的です)は、最近見かける冷んやりとして体温の放熱を助けてくれるシーツなどの寝具を使うことです。

あわせて扇風機を天井に向けてかけたり、少し離れたところから首振りで使うと室内の空気が動き、体表面を覆っている空気が滞らないので放熱を促してくれます。

ただ、首振りを使わずに体の一か所に風をあて続けると、筋肉の緊張を促してしまうのでやめておきましょう。

ご自分にあった対策を取り入れて夏を乗り切ってくださいね。


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