自然な笑いはなぜ起こる?

更新日:2022.12.01

執 筆:整体師 鈴木頼子

ここ数年コロナウィルスの影響でマスク生活がすっかり定着し、人の笑顔を見る機会がめっきりと減りましたね。
そのうえ社会情勢も不安な状態が続いていますので、日常の中で「笑う」ことも以前より少なくなったと感じられるのではないでしょうか?

「笑い」の効果

近年は「笑い」について医学的にも研究されていて、様々な症状の改善に効果があると注目されています。

主な効果としては、ストレスの鎮静、免疫力向上の他、セロトニンという神経伝達物質の活性化によるうつ症状の軽減など。ストレス社会の現代人に「笑い」は大変重要なものなのです。

体調が良くないと笑えない

しかし、笑いたくても笑えない・・そんな経験もあると思います。
とくに体調が良くない時はそのような状態になります。

何故かというと、「笑う」ことは、当たり前のようにできることと思われていますが、実は、脳の働きが整っていないと出来ないからです。

当院ではうつや自律神経失調症で来院される方も多いですが、笑いどころか笑顔もほとんどなく、とても不安な表情で来られます。

しかし、硬くなった筋肉をほぐしたり、頭蓋骨の調整などの施術を行ったりして体が改善してくると、笑顔が徐々にみられるようになり、さらに良くなってくると、会話の中で笑いが見られるようになってきます。
これは、元気になってきている一つの目安にもなります。

体の改善と「笑い」

体の改善がなぜ「笑い」に関係しているのでしょうか。
ちょっと難しい部分ですがその理由を少しお話しますね!

脳の中でも、大脳新皮質、大脳辺縁系、視床下部の三つが「笑い」に大きく関係しているのですが、今回は大脳辺縁系という部分に関わる笑いについて取り上げてみます。

大脳辺縁系は、自然な笑い(嬉しい、楽しい時に起こる)を司っています(意識的に行う笑いとは異なります)。

例えば、好意をもっている人に会うと、まずその視覚情報が、脳の感情の中枢である大脳辺縁系に到達します。そして、大脳基底核という部分につながれていきます(大脳基底核は脳の奥深くにある神経細胞の集まり)。

この大脳基底核が、人の顔をみて親しみを感じ自然な笑顔を生み出すのに必要な、顔面の筋肉の一連の活動をまとめてくれているのです。

肩や首の筋肉の緊張が強いと、脳へ流れる血液量も減少します。それによって脳の一連の働きが低下してしまうので、自然に笑うことが大変難しくなってしまうのです。

なかなか笑えない、という方は、まずは体を整えることが大切なのです!

「笑い」が自然にできるようになると、ご自身の健康向上のみならず、周りにいる人も明るくすることが出来ますから、幸せな人生につながりますよ!!


うつ・自律神経

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