怒り爆発? マインドフルネスの危険な点

更新日:2022.01.28

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人


マインドフルネスの危険性とは?

少し前から、「マインドフルネス」が、ヘルスケアの分野だけでなくビジネスの分野でも注目されております。

今回は体と心の専門家として、実際にあった事例をもとに、マインドフルネスの注意点をお伝えしたいと思います。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、「今」に集中することでストレスを低下させる「気軽な瞑想法」といってもいいでしょう。

多くの悩みは「今」ではなく過去や未来にあります。
例えば...

  • あの時○○しとけばよかった
  • 明日××があって嫌だな

そのため「今」を生きればストレスが少なくなるというのは、マインドフルネスに限らず古今東西様々な形で伝えられております。

これをマサチューセッツ大学のジョン・ガバットジン教授が「マインドフルネス」と提唱し、そこから最近の健康志向に乗って徐々に広まってきました。


自然療法家に広まる

はじめは瞑想やヨガの愛好家、自然療法家などに広まり、ストレス社会が成熟してきた昨今では、ビジネス界も注目し健康管理に役立てようとしているところです。

詳しいやり方はここでは触れませんので、検索していただければと思います。

マインドフルネスの注意点

マインドフルネスの効果は、ストレスが低下することで、免疫力向上・血圧や血糖値の低下・疲労軽減・睡眠の向上・集中力や記憶力の向上・不安減少・前向きになれるなどです。

これだけを見るとよいことばかりですね。
しかし、実は危険なこともあるのです。
それが起こる確率は低いのですが、実際に起きたときは多くの方がうろたえることとなります。

マインドフルネスの危険な点とは?

結論から先にお伝えしますと、マインドフルネスは「今」に集中します。
そのため、先ほどお伝えしたように、ストレスが少なくなります。
しかし、それと同時に、過去に抑えた感情があふれ出てきてコントロールが効かなくなる場合があります。


怒りがあふれだすことも...

例えば、怒りという感情があふれ出てきたとします。
こういう方は「怒り」という感情を抑え込んできたので、この感情をコントロールする能力が育っていません。
そのため、自分の怒りに翻弄されてしまうのです。

車を運転しなかったら車のコントロールがうまくいかないように、感情も抑え込んでいたものはコントロールする能力が低下しているのです。
そのため、怒りという感情がコントロールできなくなり、暴れだすこともあります。

これはなぜでしょうか。

実は我々は過去の出来事にストレスを感じているときには、同時に過去の感情を抑え込んでいるのです。
そのため、マインドフルネスを行い「今」だけに生きてしまうことで、体はこう思ってしまうことがあるのです。

「この怒りのエネルギーは『今』出すべきだ!」

こうして、過去に抑え込んだ怒りのエネルギーが急に出てきてしまうこともあるのです。

怒りだけではなく、マインドフルネスを行ったら悲しくなって涙が止まらなくなるという方もおられます。
これは、悲しみの感情をたくさん抑え込んできたために起こることです。

このようなことがありますので、マインドフルネスを行っている際不快な感情が湧いてきた時には、すぐに中止することをお勧めいたします。

専門家のもとで

体や心をあつかうものは、気軽なものもいいですが、きちんと専門家について学ぶこともお勧めいたします。
最近では動画で学ぶ人も多いでしょうが、やり方を間違ったり勘違いしたりすると、逆に健康を損なってしまうこともあります。

マインドフルネスは瞑想法から生まれております。
瞑想の愛好家には、
「瞑想とマインドフルネスは違う」
という方がおられますが、ここではあえてそこには触れずに進めていきます。

先ほどお伝えしました、マサチューセッツ大学のジョン・ガバットジン教授は、きちんと仏教指導者のもとで学んだ経験があり、それを活かしてマインドフルネスを開発しました。
瞑想・座禅・マインドフルネスなどは、本来は専門家のもとで学ぶものと思っていただきたいと思います。


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