パルスオキシメーターと自律神経

更新日:2021.02.26

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

<< 注意事項 >>
酸素飽和度について疑問や不安がある方は、まずは医療機関を受診してください。
この記事は「病院では異常がないと言われたけど体調が悪い」という方を対象に書いております。




パルスオキシメーターで
自律神経の状態を計測

今回はパルスオキシメーターの取り扱いの注意点をお伝えします。

なぜ、感染症や循環器の専門家でない私がパルスオキシメーターの注意点を伝えられるかというと、実はパルスオキシメーターは自律神経と深く関連しているからです。

当院では、コロナ感染が騒がれる何年も前から、パルスオキシメーターを使い自律神経の状態を計測し、それを施術に生かしているため、既に色々な経験を得ています。

今回は私なりの経験を基にした、パルスオキシメーターの注意点をお伝えしたいと思います。

パルスオキシメーターとは...?

パルスオキシメーターとは、血液中の酸素濃度を計測するものです。
酸素は体のエネルギーの素ですから、少なければ生命の維持にも関わってくるものです。

WHOは、コロナ感染で自宅療養されている方に対し、治療が必要な時期を見定めるために、パルスオキシメーターの使用を勧めています。
そのため、政府も自治体も、貸し出しや購入に対しての補助などを検討・実施しているところです。

酸素飽和度の正常値とは...?

パルスオキシメーターの数値は酸素飽和度を表しております。
酸素飽和度とは、動脈を流れる血液中のヘモグロビンが酸素とどれくらい結合しているかを、パーセンテージで表したものです。

日本呼吸器学会などでは、酸素飽和度(SpO2)の数値は99~96%が正常と提唱しております。
しかし、私どもの経験で言わせていただくと...
98%以上が正常であり、それ以下の場合は自律神経の働きの乱れがあると考えております。
これは、自律神経の働きが乱れることで、過剰にエネルギーが必要になり、酸素をたくさん使うことが考えられるからです。

また、左右で数値が違う場合も、自律神経の働きが乱れている可能性があります。
例えば、左が98%、右が95%の場合、右側の交感神経が過剰に働いている可能性が考えられます。
自律神経は左右同じように働くものですので、左右で数値が異なるのは異常と考えた方がいいでしょう。
血圧や体温なども、左右で違う場合は自律神経の乱れが疑われます。

更にお伝えすると...
症状により異なりますが、医療現場では酸素飽和度が90~95%以下になったら酸素吸入をするレベルといわれています。

しかし、当院に来院される「うつ」や「自律神経失調症」の患者さんの中には、93%程度の方はたくさんいらっしゃいます。
たまに90%を割る方さえおります。

それだけ、体の中にエネルギーが少ないということですね。
施術をすると、この数値が上がってくるので、エネルギーも湧いてきて元気が出てくるのです。

看護師さんがご自身の数値にビックリ

私は新患さんのほぼ全員に対して左右の指にパルスオキシメーターを付けています。

ある時、不安や体のだるさがある看護師さんが新患で来院されたときに、ご自身の酸素飽和度が左95%、右92%であることにビックリされていました。
酸素飽和度が低いことに、そして左右で違うことに驚いておられました。
この状態でも病院で検査すると「異常がない」といわれてしまい、途方に暮れる方は多いです。

息苦しさと酸素飽和度の関係

酸素飽和度が正常でも息苦しさは起こります。

息苦しさは低酸素状態だけではなく、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋の緊張やノドの狭窄など、自律神経の働きの乱れから起こることもあります。
また、精神的な緊張からも起こります。
もちろん、気管支ぜんそくや閉そく性肺疾患など呼吸器系の病気でも起こります。

使用についてのアドバイス

正確性の観点から、パルスオキシメーターは最低でも5,000円以上のものをお勧めいたします。

また、機種により計測値が異なることもありますので、数値を比較する際は同じ機種を使うことをお勧めします。

不安に感じましたら医療機関を受診してください。
ここに書いたことはあくまでも私見にすぎません。
医療機関を受診し、異常がないと言われた方が参考にされることを前提に書いています。

また、これは私が言うことではありませんが...
パルスオキシメーターでコロナ感染の有無は分かりません。
コロナに感染した場合は、酸素飽和度の数値が下がる可能性はありますが、数値が下がっているからといって感染しているわけではありません。
先ほどお伝えしたように、自律神経の乱れている方は酸素飽和度が落ちている方が多いのです。

鉄分と酸素飽和度

うつの方は鉄分が不足している方も多いですが、貧血でヘモグロビンの数が少なくなっている場合は、酸素飽和度が正常でも十分に酸素が運ばれていないことも考えられます。
そのため、酸素飽和度だけで酸素が体に十分に運ばれているか分かるわけではありません。

まとめ

  • 酸素飽和度が低い場合の原因は色々あります。
  • うつや自律神経失調症の方は酸素飽和度が低くなる方が多いです。
  • 不安に感じましたらまずは医療機関を受診してください。

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