筋肉の無駄な緊張は生き方を表している

更新日:2022.04.29

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

今回は「疲れが取れない」という症状について、「筋肉の緊張」と「生き方」という2つの視点からお伝えします。

筋肉の無駄な緊張とは...?


筋肉のムダな緊張は疲れる

例えば、5の力で歩けるのに10の力で歩けば、同じ距離を歩いても2倍疲れます。

立っているときも同じです。
必要以上の力を使えば、ただ立っているだけですぐに疲れてしまいます。

そしてこれらには「ある生き方」が関連しています。

早く自立をすると...

人は生まれると養育者に依存して生きることになります。
多くの場合、それは母親になりますが、養育環境によっては早く自立を促される場合があります。

例えば、下に兄弟がいる長男や長女や、貧困家庭、厳格な家庭教育、親が病気、虐待を受ける、など、個々によって異なりますが、このような環境で育っていると、生き残るために
「早く自立する」
という戦略を無意識に選択することになります。


過酷な環境は自立を促す

子供が早く自立すると、親や親せき、学校の先生などに褒められます。
するとこの「自立する」という選択は強化され、
「自立すること=良いこと」
「依存すること=悪いこと」
という価値観を持つことになり、これがその後の人生に深く影響を及ぼすことになります。

この辺で結論を先にお伝えいたしますと、自立する人の特徴は、無意識にがんばることです。
無意識ですから、自分ではがんばっているとは思っていません。
しかし、立つときも歩くときも、無意識にがんばってしまっているのです。
力も入ってしまうのです。
5の力で歩けばいいのに10の力で歩いてしまう。

そして、誰かに助けてもらえば楽にすむことでも、
「自立=良いこと」
「依存=悪いこと」
という価値観から、人にものを頼んだりするのに強い抵抗感を覚えるのです。

壁に寄りかかることさえ、力を抜いてできない人もおられます。

筋肉の緊張はエネルギーを使いますので、これが続くと当然疲れます。
疲れが悪化すれば、自律神経失調症からうつにもなります。

依存もたまには必要

骨折をしたらギブスをはめて治します。
これをギブスに依存しているという人はいません。
骨折をしたら、骨がつくまで動かないように固定しなければなりません。
動かないようにするのは筋肉でもできますが、ギブスをはめることに対して「依存してる」と思う人はいません。
なぜなら、必要だからです。


元気になる秘訣は...

人に頼るのも、
薬を飲むことも、
サプリを飲むことも、
全て必要ならばそれは依存とはいいません。

実は人の成長は...
 依存 ⇒ 自立 ⇒ 相互依存
という順番をたどります。

依存している人は、少しずつ自立に向かう。
自立している人は、少しずつ相互依存に向かうということです。

相互依存とは、お互いに協力することにより、一人だけでは出せない結果を出せるようになることを指します。

すでに我々の社会は相互依存で成り立っています。
生活に必要なほぼ全てのものは他人から購入しています。
そして仕事をしている人ならば、その人自身も何かを他人に提供しています。
学生ならば、そうなれる準備をしているところですね。

この社会で生きていくには、相互依存に向かうのはごく普通のこと。
つまり自立にこだわらずに、必要な時にはモノや人に頼るということは普通のことなのです。

それができると筋肉のムダな緊張がなくなり、疲労しにくい心身になっていきます。
疲れが溜まっている人は、どうぞ人に頼ることにチャレンジしてみてください。


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