うつ伏せはなぜ自律神経を乱すのか

更新日:2021.10.29

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人


うつ伏せになるには理由がある

仰向け(天井を見るように寝る)をしていると何となく不快に感じ、ついうつ伏せになってしまう方。
今回はあなたがテーマになります。

結論からお伝えしますと、「うつ伏せで眠る」など、うつ伏せを多用する方は、胸が圧迫されてしまい、呼吸が浅くなることで自律神経の乱れが起きます。

では、なぜうつ伏せになってしまうのでしょうか。
その理由は以下の二つです。

  1. 背中の筋肉が緊張している
  2. 不安感が強くある

うつ伏せになってしまう方はこのどちらか、あるいは両方に当てはまる方が多いです。
では、それぞれを簡単に解説していきます。

1.背中の筋肉が緊張している

人間は、生まれる時に産道を通り抜けるため、背中の筋肉が、母親の子宮の収縮に反応して緊張するようにできています。
この緊張がなければ産道を通り抜けることができないため、この緊張は本来正常の反応です。

これを原始反射といいますが、これが大人になっても強く残っている方がおられます。
そういう方が仰向けに寝ると、背中が刺激されて筋肉が緊張してしまい、不快になります。
そのため、うつ伏せになってしまうのです。

背中が緊張していると、更に呼吸が浅くなってしまい、必要な酸素が取り込めずに、自律神経が乱れやすくなります。

2.不安感が強くある

不安感を強く感じていると、自然とうつ伏せになります。
これは、お腹を守ろうとする働きです。

野生の動物で仰向けに寝る動物はいませんよね。
寝ている間に襲われても、お腹を噛まれなければ何とか逃げられるかもしれませんが、お腹を噛まれると逃げるのが難しくなります。
飼い猫や飼い犬が仰向けに寝ていることはありますが、それだけ安心感を覚えているのですね。

うつ伏せの悪影響

ここまでお読みいただいてお分かりのとおり、不安があると野生動物のようにうつ伏せになりたくなるのです。

時々ならばいいのですが、習慣化していると、寝ているときの呼吸が浅くなります。
呼吸で取り入れている酸素は体のエネルギー源になります。
呼吸が浅くなるということは、取り入れる酸素の量が少なくなるということ。

つまり...
うつ伏せに寝ることが習慣化すると、眠っているときにエネルギーが補充できないばかりか、そのエネルギーを使って体の悪いところを治すこともできなくなるのです。

うつ伏せに寝てしまう方への対策

まずは、背中の筋肉をほぐすために、体操をしたりマッサージを受けたりすることです。
しかし、これだけではなかなかうつ伏せ寝は治せません。

そこで、抱き枕などでお腹に何か触れている状態を作るといいでしょう。
お腹や胸に何かが触れていると、安心感を覚え、背中は緩みやすくなります。

抱き枕は、自分の胴体と同じくらいか、少し小さめぐらいがいいでしょう。
使ってない布団があれば、丸めて抱き枕にしてみて下さい。

PS 腰が痛い方にもおすすめです。


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