依存する力

更新日:2024.02.22

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

「依存」

この言葉は
「人に依存するな」
「依存症」
というように、悪い意味で使われることが多いです。

しかし、「依存」とは一つの大切な能力です。
依存できないためにストレスを増やし、病気になる方さえいるのです。

依存から自立へ

人は生まれたときにはとても無力な存在です。
多くの野生の動物たちは、生まれてから数分から数日で自立的に動き始めます。

人間はハイハイするのに早くて6か月、遅いと10か月ぐらいかかり、よちよち歩きが1歳前後です。

そのため、当たり前ですが赤ちゃんは親に依存します。
ここから成長するにつれて段々と自立に向かうのですが、この時に「自分一人でやりなさい」というように自立を教育されます。

これはこれで大切なのですが、ある程度成長すると、困った時は人に頼むということも必要になります。
このとき…

  • 自分でやらなければ
  • 人に迷惑をかけないようにしなければ

という思いが強いと、なんでも自分一人で行おうとします。

このような人の体の特徴は全身、特に下半身の筋肉が過剰に緊張していることです。

問診の際の座り方、立ってもらった時、
施術の際に寝てもらう時、
全て必要以上に力が入っているのです。

そのような方に
「何でも自分でやってしまう傾向がありませんか?」
と質問すると

そうですねー
まぁそんな感じです
よく言われます

というようなお返事をいただきます。

依存の能力とは…?

人は生まれてから
依存

自立
と成長した後は、
「相互依存」
ができるようになることが望ましいのです。

霊長類以降は、群れを成して生きていくことを決めました。
そこには、「相互依存」をすることで、一人でいるよりもより多くのことができるようになり、自然界でも生き残れるという意味があります。

日本は文明が発展し一人でも生きていける社会ではありますが、しょせん我々は群れを成す動物ですので、一人で生きていくのにはそれなりに負担がかかるのです。

そのため、自立されていると思われる方は、「人に頼ってみる」という「依存」の能力を開発してみて下さい。

人に頼ることに慣れてくると、不思議と筋肉の緊張も取れやすくなっていくのです。

「私のことかな?」と思う方はチャレンジしてみてください。


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