性格と体。そして症状。

更新日:2021.03.26

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

今回は「体」と「性格」と「症状」の関係についてお伝えいたします。

性格と体


性格が症状を作る

性格とは、子供のころに身に着けた、生き抜く上での戦略です。
体は、その戦略を実行するのに適した状態に育ちます。

例えば...
せっかちの方の筋肉は、すぐ動けるように日頃からいつも緊張気味です。
そのため、リラックスするのが苦手。
体の重心は前にあり、前歯でものを咬みやすくなります。

自立心の強い人は、文字通り自分の足で立つという気持ちから、下半身の筋肉が緊張しがちです。
特にお尻の筋肉(大殿筋)が発達している方も多いです。

これらの筋肉の緊張は脳に伝わり、脳が興奮状態になります。
筋肉の緊張がつづけば脳の興奮もつづき、不眠やあせりなどの症状が出てきます。

このような脳の緊張は「人に迷惑をかけないように」と強く思っている方も起こりやすいです。


他人の目を気にすると...

また、他人の目を気にしやすい人は、周りの変化には敏感ですが、自分の体の変化には鈍感になります。
すると、体がつらい時につらいと気づかず、知らず知らずに無理をして体を悪くしてしまいます。

そのような方は、「ある時から急に悪くなった」とおっしゃるのですが、ずいぶん前から悪くなっているのに気づかないでいるだけなのです。
これが進むと...
のどが渇いたことやお腹がすいたこともなども気づかなくなってしまいます。

そして人生において、自分がどうなりたいのか...や、何をしたいのか...など、自分自身の欲求さえ分からなくなってしまいがちです。

すると...

「なんのために生きているのだろう」

と思いやすくなり、生きていることの喜びを感じにくくなります。

性格とは...?

性格は、幼少期(1歳半~6歳ぐらい)に「生き抜く戦略」として構築されていきます。
この時は、「力なき子供」ということが前提で戦略が作られます。

そこから十数年、あるいは何十年も生きているので、「力なき子供」ではなくなっているにもかかわらず、我々は、力なき子供時代に作った戦略(性格)を取り続けているのです。

そのため、ある場面では自分にとって不適切な行動を取ることになります。

例えば...
疲れているので休めばいいのに、ゆっくりと休んでいられないと、体はどんどんと疲弊していき、症状を作り出します。

このブログをご覧の方には、能力が5歳程度という方はいらっしゃらないでしょう。
すでに、あなたは性格を形成したときよりも大きく成長しているのです。
そのため、戦略(性格)を変えても生きていけるのです。

とはいっても、分かっていてもなかなか変えられないものです。
そこで、症状に困っている方は、いつもとは違った行動を意識的に取ってみるのもいいでしょう。

例えば...

  • いつも早足になっている方は、すごくゆっくりと歩いてみる。
  • いつも時間にきっちりとしている方は、ルーズになってみる。
  • いつも自分でやっている人は、人に頼んでみる。


ゆっくり歩いてみると何かが変わる?


こうやって、少しずつでもいつもと違う行動をすることで、幅が広がり、体も心も一度リセットしやすくなります。

重要なのは、性格を変えようとするのではなく、行動のしかたの幅を広げることです。


現在はコロナ禍でストレスが増えています。
こういう時は、元々持っている性格が過剰に出てしまい、症状を作ってしまいます。
そのため、行動のしかたの幅を広げて、体も心も症状も、リセットしてみませんか。


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