うつになったらまず「休む」

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2019年10月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.4

うつになったらまず「休む」

「抗うつ剤」はどんなものか

ちょっと薬についてお話ししましょうか。
僕は薬の専門家ではないので、「この人適当に言っているな」くらいの感じで聞いてくださいね。
あんまり薬のことなどを言うと薬事法などの問題があるので。あくまで僕の見解です。

うつというのは、先ほども言ったように、エネルギーが少なくなったから、エネルギーをそれ以上少なくしないように、うつになるわけですね。
じゃあ「抗うつ剤」というのは何か。
世の中に出ている抗うつ剤というのは、いろいろあるんですけど。
「アドレナリン」とか「ドーパミン」、「セロトニン」、これらを、簡単に言うと活性化させるんです。
活性化させると元気になってきます。

だから、これで元気になるよねという感じなんです。
これらは交感神経なんです。
なので理にかなっているんだけど…先ほど「口が渇く」と言っていましたよね。
「口が渇く」というのは、交感神経系が過剰に働いた時の症状なんですよ。あと便秘とかもです。
そういうのは交感神経系が過剰に働くとなるんです。

だけど、さっきここで僕が「交感神経を働かせてくださいね」と言ったのは、もっと後の話なんです。
うつでエネルギーが少なくなったら、まずは休まなければいけないんです。
そういう時には映画を観ても感動しないですから。
感情が出てくるにはエネルギーが必要なので。

エネルギーがなかったら感情が出てこないので、交感神経を上げることをやるのは、もう少し回復したあとです。
エネルギーがもっと溜まってからの話で、まずは休ませないといけない。

だから、最初からアドレナリンとかを出しちゃうと、交感神経が働いてしまうから、体って動こうとしちゃうんですよ。
そうするとどうでしょう、最低限のエネルギーのところまで来てしまったから、体がエネルギーを節約しようと思って省エネモードになっているのに、アドレナリンとかが入ってくるから、活性化させようとしちゃうわけですよ。

つまりエネルギーをなくそうという動きをしてきちゃうわけです。
それで活性化して良くなる人も中にはいるんです。
なので全部が悪いというわけではないんですけども。
なかなか良くならないという人たちは、抗うつ剤を飲み続けるのは僕はどうかな…と思っています。
ただ僕は薬剤師でも医師でもないので、「お薬やめたほうが良いですよ」とは言えないですけども。どうなのかな、という風に疑問は持っています。

まずは休むことが最優先

じゃあ何をしなきゃいけないか。休まなきゃいけないんですよ。
休まなきゃいけないので、休むときに例えば「不安で休めない」という場合には、交感神経を上げる対策などはできないので、そういう時には抗不安薬を飲んだりとか、睡眠導入剤とかで「休ませる」のを助けるようにするのは良いのかもしれないですけども。
これもだから僕は薬に対しては専門家からすると素人なので、それを理解した上できいて欲しいんですけど。

「いかに休めるようにするか」ということが重要なんですよ。
そのためにお薬を使うのであれば、それでも良いし、漢方薬を使うんだったらそれでも良いし。
だけど、多くの人はそれを使って動いちゃうんですよ。

そうじゃなくて、休むためにそれを使うんだから、休もうよというわけです。
風邪薬飲んで仕事するようなものですね。
体のどこかが「痛い」という時に、痛み止めを飲んで何かをやっちゃうというのは良くないわけです。
「痛い」という時には交感神経が緊張します。休めません。
だから、痛み止めを飲んで体を休ませます。そうすれば休めますね。

でも、「痛くないから動いちゃおう」となっちゃうわけです。
いやいや、最初にやるのは休むことですよね、痛みで休めないから痛み止めを飲んでいるんだから、休みましょうよと。
「思考」が、「仕事しなきゃ」とか「家事やらなくちゃ」とか、あれやらなきゃこれやらなきゃとかを優先して、「痛い、休みたい」と言っている体、「やる気ないよ」と言っている感情を無視してやっちゃうと、そういう風になっちゃう。

うつの「痛み」

痛みは酸素不足のサイン

もう一つ、「痛み」についてですね。
痛みというのは、「酸素」がすごく重要で。酸素が少なくなると、痛みが増すんです。簡単に言うと。
「無酸素性疼痛」と言っているんですけども。
酸素というのは血液が運んでいますね。
酸素が行っていないということは、血液が行っていないということなんです。

で、うつの時の痛みというのは、簡単に言うと、酸素不足の痛みなんです。
体のいろんなところが痛むんですけど、そこが酸素不足になっているんですね。
だから、少し温めれば少し緩むんです。
なぜかと言うと、血流が良くなるから。
でもそれだけだと、温めなくなればまた同じことが起きてしまう。

ではそれはどこから来ているのかというと、「筋肉の緊張」です。
筋肉が緊張すると、血管を押しつぶしてしまうんです。そうすると血液の流れが悪くなっちゃう。
血液の流れが悪くなっちゃうと、当然酸素が不足しちゃう。

交感神経の緊張による痛み

それともう一つ、交感神経の緊張というのは、血管を細くしちゃうんですよ。
そうすると、血液の流れがまた悪くなっちゃいますね。そうやって酸素不足が起きるわけですよ。
なので、交感神経を活性化させるのは、さっきも言ったようにエネルギーが溜まってからなんですよ。
ギリギリのところまでエネルギーが減ってしまっていない人はやってもいいですよ。
僕も経験ありますけど、もうゲロゲロのうつだという状態だと、もう動けないです。電話も取りに行けない。

なので、筋肉の緊張を取って副交感神経を働かせるために、心おきなく休むということが、まず痛みに対してとても重要なんです。
それプラス、例えば温めたりとかするというのはとても良いんですけど、何もしないでただ温めてもあまり意味がない。

動けるようになったら動けば、動くことによって血液の流れが良くなります。
さっきの無意識に筋肉を緊張させて力が抜けない状態よりも、動かせば緊張したり弛緩したりしてくれるので。

「血液の流れを良くするお薬です」と言うけれども、僕も飲んだことがありますし、患者さんでも何人も飲んでますけども、まあそんなもんじゃ血液はなかなか流れないです。
だって筋肉が緊張しているから。
自律神経が交感神経に偏っちゃっているから。

(お薬だけでは)なかなか流れないというのが、現場でやっている僕の感想です。
なかなか良くならない方がうちに来るので。良くなっている人たちは来ていないので、そういう人たちばかりが目立っちゃうのかもしれないですけども。
なので、血液の流れと痛みというのはすごく関連性があるわけですね。
酸素ですから、息苦しいという症状があったら、それだけで酸素がなかなか吸えていないんです。
酸素が足りなくなっちゃうので、大きく呼吸をするという癖をつけていただきたいと思います。


うつ・自律神経

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