自律神経とストレスの繋がり

更新日:2019.08.26

執 筆:整体師 中川裕二

☆自律神経についてお話しています。

~ 「自律神経とストレスと免疫」vol.1 ~

自律神経とは

みなさんは、自律神経という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、名前の通り自律した働きを持っている神経で、呼吸、循環、消化、代謝、分泌、体温維持、排泄、生殖などをコントロールしており、私たちの生命活動を維持する重要な役割を担っています。

大きく分けて2つの種類があります。

交感神経

  • 脳や体が動くのに適している
  • 主に仕事や遊びなど活動するときに働いている

副交感神経

  • 体や心を回復することに適している
  • 主に眠ったり、リラックスするときに働いている

交感神経を働かせて、自分の身を守る

交感神経は、「生命の危機」から自身を守るために強く働きます。

脳は、自分の身が「生命の危機」にさらされていることを察知すると、危機に対応するために必要な反応を体に引き起こします。
そのような危機にさらされた場合、動物は基本的には「闘うか逃げるか」の行動をとり、自分の身を守ろうとします。
闘ったり逃げたりするためには体を素早く動かしたり強い力を出す必要です。
そのためには、筋肉に血液を大量に供給したり、酸素を大量に取り込まなければなりません。

交感神経には、血圧を上げ脈拍を速くする・呼吸を速くする働きがあります。
よって、自分の身が生命の危機にさらされた場合に、強く働きます。

副交感神経を働かせて、疲れた体を修復する

一方副交感神経には、疲れた体を修復する働きがあります。
交感神経で活動するために消費したエネルギーを回復します。

交感神経と副交感神経のバランスが大切

この2つはどちらも大切な働きをしています。
交感神経のみが働き過ぎてしまうと、疲れた体を回復することができなくなるため、体に様々な不調をきたします。
一方副交感神経のみが働き過ぎてしまうと、活動する意欲がわかなくなってしまいます。
そのため、両方の活動量のバランスが非常に大事になっています。

生命の危機とは…

では、交感神経を強く働かせる「生命の危機」とは何でしょうか。
生命の危機とは、簡単に言うと「ストレス」です。

4つのストレス

ストレスと聞いたとき、どのようなものを連想するでしょう。
精神的な負担を思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそれだけではなく、様々なものが存在します。
中でも、自分で気付かないうちに増えやすく影響を受けやすいものとして、4つの種類を紹介していきます。

  1. 精神的ストレス
    人間関係、環境の変化(転居、結婚、離別、出世、天災)など
  2. 物理的ストレス
    体の緊張、ゆがみ、睡眠不足、過労など
  3. 化学的ストレス
    甘いもの、体の中に入ってきた化学物質(カフェイン、アルコール、薬物)など
  4. 温度、湿度などのストレス
    暑い、寒い、寒暖差など

これらが積み重なり体への負担が増えてくると、交感神経の働きが強くなります。
そのため、仮に精神的なものはあまり受けていなくても、他の部分からの負担が増えていることで、体の不調が出やすくなります。
よって、精神的なものだけでなく、体への負担をトータルでみていく必要があります。

このページでは、「自律神経とストレス」についてお伝えしました。
次の「ストレスと免疫」では、ストレスを受けたときの体の反応、免疫の働きについてまとめています。


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