コロナによる昼夜逆転の意外な原因とは?

更新日:2020.07.24

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

第二波と思える感染者が増えている中、あなたのストレスの多さはどんな感じでしょうか?


昼と夜が逆さまに…

実は、ストレスが多くなってくると「昼夜逆転」が起こることがあります。
多くの場合不眠症から始まり、眠れるのが朝の5時や6時という状態が段々と定着していきます。
そして、朝7時や8時に寝て、夕方に起きるという生活になっていきます。

これが、昼夜逆転になる典型的なパターンです。なぜ、ストレスが多くなると昼夜逆転になるのでしょうか。

それには二つの理由がありますが、今回はそのうちの一つをお伝えいたします。

人間関係に問題が生じると退化する

生物学的に言うと、人間は、霊長類の仲間であり哺乳類でもあります。

進化の過程でいうと、「爬虫類→哺乳類→霊長類→人類」という過程で進化してきました。

この進化の過程が、昼夜逆転と何が関係するのかと不思議に感じると思います。
しかし、最後まで読んでいただけると、おそらく納得していただけるでしょう。


実は多くの哺乳類は「夜行性」です。
初期の哺乳類はネズミのように小型であり、蛇やトカゲなど、爬虫類に食べられる存在でした。
爬虫類は変温動物です。そのため、太陽が出てきて気温が上がらないと活発に動けません。
(昼間に動くので「昼行性(ちゅうこうせい)」といいます)

つまり、初期の哺乳類は爬虫類の動きが鈍い夜間に動くことで生き残ってきたのです。


では、なぜ昼行性になったのでしょうか?

人間関係と昼夜逆転の関係とは?

霊長類になると仲間同士のコミュニケーションが発達し、危険を正確に知らせることができるようになりました。
一人でいると、後ろから敵が近づいても気づきにくいですよね。
仲間がいれば、自分の後ろは仲間が見ていてくれます。
そして、危険がせまってきたら様々な手段(多くは言語)で、正確に教えてもらえます。

そのため、霊長類からは群れを形成して昼行性になりました。
霊長類から進化した人間も昼間に動くようになりました。


孤独感を感じると昼夜逆転に…

人も霊長類の一種ですから、仲間がいないことで自分の後ろを見ていてくれる人がいなくなると、無意識に感じてしまいます。
すると、知らず知らずのうちに過剰に危険を感じるようになります。
そして、段々と昼間は行動を控えるために眠たくなり、夜間は行動するために目が覚めるようになります。


つまり、人間関係に問題が生じたり、仲間や家族に絆を感じられなかったり、孤独感を感じたりすると、初期の哺乳類のように「夜行性」になることで、自分の身を守ろうとするのです。

癒しは「関係」でしか得られない

ストレスによる心身の疲労を癒せるのは、人間関係のみです。
人間関係とは、言葉でのコミュニケーションや肌が触れ合うという体でのコミュニケーションを指します。

コロナになり、人との接触が減りました。
当然、肌の触れ合いという「肌感」も減りました。
スポーツでのハイタッチすら控えることとなりました。
みんなで「一体感」を感じるスポーツ観戦やライブもできません。

WEBでの会話や飲み会もないよりはましですが、眼で見る(視覚)よりも、肌感の(触覚)方がとても大事なのです。


触れ合いは癒し


生れたばかりの赤ちゃんはほとんど目が見えませんが、お母さんに抱っこされる感覚で安心感を得られるのです。
つまり、「関係」とは「肌感」なのです。

家族や恋人がいる方は、恥ずかしがらずにいつもよりも多めにハグを行うといいでしょう。
また、家族や恋人がいなくても対策はできます。

一人でできる コロナによる昼夜逆転の対策

新型コロナウイルスは、その名の通り新型です。
そのため、まだ分かっていないことがたくさんあり、どんなに考えても「何が正解か」が分かりません。


頭の使いすぎには注意

こんな状況では、人は答えを求め考えすぎてしまいます。
(頭で)考えれば考えるほど、体に意識がいかなくなります。
すると「肌感」を感じにくくなります。

肌感が感じにくいと「孤独感」を感じやすくなります。
これが昼夜逆転になる原因ですから、肌の感覚を取り戻すことが重要です。

では、その対策を3つお伝えいたします。

◆対策1 シャワートレーニング


シャワーを浴びなら肌感のトレーニング

シャワーを浴びる時に、お湯の流れを体で感じ取ってください。
首から背中・腰・足と流れていくお湯を意識的に感じてください。

◆対策2 着心地のいい服を着る


肌触りのいい肌着を!

肌に直接触れる肌着は、肌触りのいいものを身に着けてください。
また、肌触りのいいシーツや毛布に裸でくるまったりするのもいいでしょう。
心地いいと思えるならば何に包まってもかまいません。

◆対策3 足の裏を感じる


足の裏を感じてみよう

足は大地に接する重要な場所ですが、多くの方は意識していません。

足元がフラフラすると、心もフラフラして不安感が増します。
(そのため、東日本大震災など大きな地震の後には不安になりやすくなります)

「自分の足で立っている」という意識が自立心を育て、少々の孤独感には負けない体や心を作ります。
そのため、足の裏を感じながら立ち、歩いてください。
足の裏を感じながら5分歩くだけで、何となく心が安定した気分になることさえあります。


::注意::

これらの3つの対策は、全て呼吸を深く行いながら行ってください。

大切なこと

昼夜逆転は、ストレス状況から自分を守るための一つの方法です。
「肌感」を改善せずに無理やり戻そうとすると、更なるストレスを感じることになり、再び昼夜逆転になります。
すると、「自分はダメな人間だ」と思ってしまいますので、無理やり治そうとしない方がいいでしょう。


まずは、「昼夜逆転になるほどのストレスの中で自分はがんばって生きてきたのだ」と、ご自身をねぎらうことから始めてみてください。

そして、できれば昼夜逆転を一度受け入れ、そのあとに上記の対策を行っていただければと思います。

では、無理せず行ってみてください。


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