光療法について

更新日:2014.06.28

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

太陽の光は、うつや自律神経失調症を改善させる

人間だけでなく、生物は光に多大な影響を受けて生きています。晴天の日は気分も晴々するし、梅雨の時期は雨ばかりで「ゆううつ」になりますよね。これは太陽の光(日光)を浴びているか浴びていないかの差によるものです。

自律神経には交感神経と副交感神経の二つがあることは、もうご存じだと思います。交感神経は昼間、副交感神経は夜に働きます。

この昼間と夜を人間は太陽の光で区別しています。日中は太陽の光は透明で色はありませんが、実は日中の日光は青色が強く、そのため晴れている空は青いのです。

この日光は目から脳に入り、視交叉上核(しこうさじょうかく)というところに届き、体内の時計を太陽の時間に合わせようとします。つまり、太陽の光を浴びると昼間だから交感神経を活発に働かせようとするのです。そのため晴々とした青空を見ると、気分も晴々して元気も出てくるのですね。

目から視交叉上核から入ってきた日光は、次に脳の松果体(しょうかたい)に届きます。松果体は、光が入ってきた10~14時間後にメラトニンというホルモンを出します。メラトニンは睡眠を司るホルモンでメラトニンが出てくるから人間は眠れるのです。

そして眠りは副交感神経を働かせ、副交感神経は体のあちこちを治す働きをします。つまり、昼間に日光を浴びないと、日中に元気が出ないだけでなく、夜は眠りにくくなり、副交感神経が働かなくなり、自律神経失調症やうつが治りにくくなってしまうのですね。

現代人は日光をあまり浴びていません。(ガラス越しだと光の効果は半減します) そのために、うつや自律神経失調症になっている方も多いのです。


光と自律神経の豆知識

脳をリラックスさせる光とは?

上記の通り、光は自律神経に大きな影響を与えています。そのため、夜に強い光を浴びると交感神経という脳が緊張する神経が働きます。そのため不眠などにもなります。

例えばパソコンなどを行うと、脳が光を感知して脳を緊張させてしまいます。 また夜中にコンビニなどに20分以上いると、脳が緊張しやすくなります。これはコンビニの店内が明るいために起こります。

それとは逆に、脳をリラックスさせる光もあります。それは、オレンジ色の光です。日が沈む夕日の色はオレンジ色をしています。また、昔人間は夜にはたき火などで光を取っていました。

たき火の色もオレンジ色です。ですから、オレンジ色の光は脳をリラックスさせるのに適した光の色なのです。そして、電球の光の色もオレンジ色をしています。この光が脳をリラックスさせるのですね。

昼間の太陽の光は5500ケルビンという光の色をしています。そして夕日は3500ケルビンという光の色をしています。そして電球の色も3500ケルビンなのです。

うつの方、不眠症など自律神経失調症の方、寝る前は電球の光の中で暮らしてみてください。眠りやすくなると思います。


うつ・自律神経

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