更新日:2025.11.03
執 筆:整体師 鈴木頼子
寒さが本格的になってくると、体の冷えや乾燥だけでなく、気分が落ち込みやすくなったり、朝起きるのがつらくなったりと、心身のさまざまな不調が現れやすくなります。
このような変化の背景には、「自律神経の乱れ」が大きく関係していることが少なくありません。
自律神経は、呼吸・体温・内臓の働きなど、私たちが意識しないところで体をコントロールしてくれている神経です。
交感神経と副交感神経のバランスが取れていることで、心も体も健康な状態が保たれています。
しかし、冬は寒暖差や日照時間の短さ、年末に向けた慌ただしい日常などの影響で、このバランスが崩れやすくなります。
特に交感神経が過剰に働くと、リラックスできなくなったり、寝つきが悪くなったり、胃腸の働きが鈍くなったりすることがあります。

このような時期こそ意識したいのが、「腸のケア」、いわゆる"腸活"です。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、実際に脳とは迷走神経という神経で密接につながっています。
近年の研究では、腸の状態が気分やストレスへの感じ方、自律神経のバランス、さらには免疫力にまで影響を与えることがわかってきました。腸と脳は双方向で影響を及ぼし合っているのです。
腸内環境を整えるためには、毎日の食事がとても大切です。
味噌、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを整えてくれます。
さらに、野菜や海藻、きのこ類に多く含まれる食物繊維は、腸の善玉菌のエサとなり、腸の働きを活発にします。
忙しい時期こそ、コンビニ食や外食に偏りすぎないように、意識的に体にやさしいものを取り入れることが大切です。
また、冬は「冷え」も大敵です。
お腹まわりが冷えると血流が悪くなり、腸の働きが鈍くなるだけでなく、自律神経の乱れにもつながります。
腹巻きやカイロでお腹を温めたり、寝る前に白湯をゆっくり飲んだりするだけでも、体がほっとゆるみ、腸の動きがスムーズになります。

当院の施術でも、内臓やお腹まわりへのアプローチを大切にしています。
お腹の緊張をやさしくほぐし、内臓の動きを促すことで、自律神経が整いやすい体へと導きます。
実際に「施術後はよく眠れるようになった」「お通じの調子が良くなった」といったお声を多数いただいております。
寒さやストレスに負けない体をつくるためにも、腸から整えて、自律神経をしっかりサポートしていきましょう。
健やかな冬を迎えるための小さな習慣を、ぜひ今日から始めてみてください。